「花は、食するものではありません、結果有害な殺虫剤の規制から除外されているのです。切花の生業、インダストリーは、殺虫剤の巨大な受け皿の一つであることを意味します」 By Kathryn Kellogg, the founder of goingzerowaste.com
この度の新型コロナのパンデミックは、地球上に暮らす私達すべてに、立ち止まって考える機会を与えてくれたと思います。
生きるってなんだろう?
家族、友人、仕事、毎日の生活…、私にとって本当に大切なものって何?
「デスティネーション・ウェディング」、日本では、なかなかお馴染みじゃない言葉ですが、二人の地元ではない場所、少し離れた場所、旅行先や海外など、非日常の場所で行う結婚式のことです。
これは、私が過去20年にわたって情熱を注いできたもの。世界中からこの島を訪れる、夢見るBride To Beの夢を叶えることに胸を躍らせ、満たされてきました。
ここバリ島では、ツーリズム、ウェディングも花盛り、クレージーな程の盛り上がりの中、私達もメインストリーム、インターナショナル・スタンダードという大きな渦に巻き込まれていったのでした。
デスティネーション・ウェディングは、本来、そのままで個性的、特別なもののはずでした。一方、皆がロケーションや会場を、何かそうではないもの、本来とは全く違ったものにするために汲々とする…。よりドラマチックに、もっと華やかに、もっと洗練されたものに!と。
それが正しいとか間違っているというつもりではありません、私自身、ゴージャスなドレープや贅沢な花々、そして煌めくファアリーライトが奏でる、アンビアンスにうっとりとため息を漏らしてきたのですから。
ですが、そのもっともっと限りない欲望について今一度向き合ってみること、立ち止まって、改めてデスティネーション・ウェディングの意味を考えてみることが大切だと思うようになりました。
私達はこのバリ島で、何年にも渡ってウェディングを生業に、自然そして人々の美しさに慈しまれてここまできました。Tirthaはこのアイランドにて、素晴らしい命・生を与えられてきたのです。今こそ、この島の豊かさ、美しさを便利に利用するだけでなく、恩返しをして行く。次世代のためにそれを守り、伝えていくために私達に何ができるかしら?
会場やロケーションを地球上のどこか、ここではない場所に変えてしまうより、なぜ、この自然の美しさを、極彩色の伝統や文化を、この島で育つ草花木を大事にできないのかしら?
手工芸や地産品は、素晴らしいデコレーションになるかもしれません。それが世界の反対側から花々を運ぶ、二酸化排出量の軽減がつながるとしたら?
切り花産業が、有害殺虫剤 の大きな受け皿になっている現実。美しい花々を求める需要に応えるため、多くの不慣れなワーカーに健康被害をもたらし、産地のエコシステムに重大なダメージを与えているのです。
私達の使命は、命ある花草木がその美しさを全うし、土に帰するお手伝いをすること。
逆に言えば、そのために、ひと際輝く瞬間が必要なのかもしれません。